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海事代理士 筆記試験対策

小型船舶 国家資格
英検換算努力度レベル難易度標準学習時間実際勉強時間おすすめ度
筆記試験:英検2級~英検準1級相当
口述試験:英検3級面接試験相当
レベル 5.75普通500時間筆記試験:110時間
口述試験:100時間
筆記試験の実際勉強時間の内訳は、「法律の改正チェックに30時間」「本格的に勉強したのが80時間」です。
口述試験の実際勉強時間の内訳は、「法律の改正チェックに30時間」「ICレコーダーの吹き込みが20時間」「勉強が50時間」です。
他の士業資格とのダブルライセンスとして取得してみてはどうでしょうか。

海事代理士試験の難易度ってどのくらい?

 この資格の最大の難点は、難しいのか簡単なのか、と言う事が不明と言う事と、試験対策に何をすれば良いのか全く分からないと言う事だと思います。

 難しいと言っている人もいれば、簡単だと言っている人もいる。

 しかし、合格率を見ると簡単そうに思える。

 なんだかよく分からない・・・。そんな感じではないでしょうか。

 私の感想だと、暗記中心の勉強をする事に抵抗がない方であれば、比較的簡単に合格できると思います。

 逆に、暗記中心の勉強が苦手な方には、難しい試験だと思います。

 しかし、暗記が得意不得意と言う事にかかわらず、海事代理士試験に出題される法律をきちんと理解しようとしてしまうと、時間がかかりすぎて途方に暮れてしまうと思います。

 なので、「試験対策」として、割り切って勉強する事が、試験に臨む心構えとして重要だと思います。

 前置きが長くなりましたが、海事代理士試験の難易度は、宅建と同等か、ほんの少し難しい程度だと思います。

筆記試験対策で使ったテキストは何?

 海事代理士の資格に興味がある方であれば、アマゾン等で「海事代理士」とかのキーワードで本を検索してみた事があるのではないでしょうか。

 すると「海事代理士合格マニュアル」と言う本が目を引くと思います。

 私も、筆記試験はこの本のみで合格しました。

 ちなみに、筆記試験も口述試験も両方とも一発で合格できました。

最初に法改正を確認!

 「海事代理士合格マニュアル」は、毎年改訂版が出版されず、答えが試験を行った当時のものなので、法改正が行われていないかチェックする必要があります。

 5年分の過去問が収録されているので、なかなか根気のいる作業になりますが、各問題の下にヒントと言う欄がありそこに、「〇条〇項」などの情報が記載されているので、これを参考にして、条文が改正されていないかどうかを、一つずつ調べていきました。

 この作業に大体30時間程度を要しました。

 なので、本格的に「海事代理士合格マニュアル」で勉強した時間は約80時間です。

具体的な海事代理士試験の勉強方法は?

模範解答にマーカーを引く!

 海事代理士試験では、次の2つの特徴があると思います。

     ●出題されやすい箇所がある

     ●過去問の焼き直しが多く出題される

 この2つの特徴を踏まえたうえで試験対策をしていくと良いと思います。

 そこで、具体的な勉強方法はと言うと、簡単に言えば、「海事代理士合格マニュアルの丸暗記」です。

 この方法でないと、勉強時間が80時間程度では、恐らく合格できなかったと思います。

 「海事代理士合格マニュアルの丸暗記」と言っても、1ページ目から最後のページまで一字一句覚えたわけではありません。

 必要な事項のみ覚えると言う事が重要です。

 そこで、まず最初に専門用語から覚えていきました。

 もちろん1回で覚えられる訳はないので、最初は専門用語に目を通す程度です。

 どんな感じに覚えていったかと言うと、「海事代理士合格マニュアル」の各法律の最終ページに模範解答が記載されていますが、

     ●専門用語→緑

     ●期間・日にち等→オレンジ

     ●長さ・重さ等の数字→ブルー

     ●行政関係・罰則等→紫

     ●その他のキーワード→黄色

     ●その他のキーワードで重要な物→赤

の様な感じでマーカーを引きました。

 ここで重要な事は、複数回同じ用語が出てきてもマーカーは一か所のみに引いて、目立ちやすくする事です。

 そして、簡単な用語にはたとえ1回しか登場しない物でもマーカーを引かないようにします。

 例えば、船舶職員及び小型船舶操縦者法に出てくる専門用語では、「電子海図情報表示装置」「特定操縦免許」「航行の安全」「船舶の運航」等は覚えるに値するキーワードなのでマーカーを引いて記憶に残る様に、何度も目に付くようにしますが、「住所」「漁業」「船長」「技能」等の用語は既に単語として頭に入っているので、マーカーを引いてしまうとごちゃごちゃするだけなので、引かないようにします。

 このようにして、専門用語や期間・数字などを覚える為の下準備ができたら、実際に問題を解き始めました。

問題文にもマーカーを引こう!

 問題を解いて行く中で、問題文にもマーカーを引いていきました。

 マーカーを引く要領は、模範解答の用語などと同じように引いていきました。

 穴埋め問題の空欄の模範解答と問題文のマーカーの色は同じになる様にしておくと、答えを暗記しやすくなると思います。

 また、問題文の中で空欄にはなっていないものの、問題として空欄にできそうな箇所にもマーカーを引いておきました。

 そして、そこに記載されているキーワードを模範解答のページに書き込みました。

 こういう箇所は、5年分の過去問には登場していなくても、それ以前に出題された可能性があります。

 ここで、重要なのは、模範解答のページだけにキーワードを書いておくことです。

 一つのページに全て書き込む事によって、目に触れる機会を多くして、覚えやすくすると良いと思います。

○×問題は問題文を覚えよう!

 海事代理士試験では、○×問題も出出されますが、一筋縄ではいきません。

 確かに、50%の確率で正解できますが、答えを知らないと運にのみ合否を任せる事になってしまいます。

 私が○×問題を解く際に最初にやった事は、模範解答のページで「×」になっている問題の、正しい答えを調べる事でした。

 上述の法改正を調べるのと同時にやっていけば効率よくできると思います。

 正しい答えが分かったら、問題文の誤っている個所に波線を引いて、波線の下に小さく「×」印をして、正しい答えを書き込みました。

 そして、○×問題で模範解答が「○」の問題は、そのまま、問題文事丸暗記して行きました。

 模範解答が「×」の問題は、正しい答えに訂正した文を丸暗記しました。

条文を正確に暗記しよう!!

 海事代理士試験では、○×問題や三肢択一式問題もマークシートを使わずに、「○か×」「数字」「専門用語」を記入する、記述形式です。

 なので、全て正確に暗記する必要があります。

 この正確な暗記がとても難しかったです。

 例えば、私が試験を受けた時点での条文では、船舶法に「日本の領事(日本領事)」と模範解答で記述されていました。

 他方で、船員法や船舶安全法には「日本の領事官」となっていました。

 このような区別をしながら、法律ごとに正確に覚えていくのがとても大変でした。

 どのようにして覚えたかと言うと、一つのページにまとめて書いて覚えました。

     ●船舶法→日本の領事(日本領事)

     ●船員法→日本の領事官

     ●船舶安全法→日本の領事官

の様な感じに同じページに書いておいて、覚えました。

 それともう一つ、数字についてです。例えば、

 「30日」と「三十日」、「3カ月以内」と「三月以内」と「三か月以内」と「三カ月以内」、「2週間」と「二週間」と「14日」と「十四日」等の書き方の問題です。

 法律によって記述がバラバラで、どのように覚えればよいか悩みました。

 殆どの模範解答は、カッコ書きで数字と漢数字の両方が記述されているので、どのように暗記しても良いと思いますが、模範解答に一つしか書かれていない問題などは困りました。「2週間」と「14日」では大分表現が違うので、どのように覚えればよいのか、悩むと思います。

 結論としては、私は、条文の書き方通りに覚える事にしました。その方が正確です。

 法律ごとに区別して覚えるのは大変でしたが、本気で覚えれば何とかなりました。

憲法・民法・商法の勉強方法は?

 ここまでは、海事法令の勉強方法を中心に試験対策を紹介してきましたが、私が一番難しく感じた法律が、日ごろから勉強を欠かさずしていた、憲法・民法・商法です。

 憲法・民法・商法は、頻出の条文などがなく、民法は1,000条を超える条文数の為、とても厄介です。

 条文穴埋め問題で一字一句正確に記述する事はとても難しいと思います。

 五肢択一式の方が、楽とすら感じる時もあると思います。

 憲法と民法は、条文穴埋め問題だけでなく、判例○×問題もあり難易度がかなり上下する気がします。

 商法は、条文穴埋め問題と条文○×問題が出題される事がほとんどなので、条文を暗記しておけば十分だと思いますが、出題分野が「海商」なので「法律に覚えあり!!」と言う方でも、ノーマークと言う場合も多いのではないでしょうか。

 法律を全く勉強した事が無い方は、大変だと思いますが、ポケット六法や判例六法などを購入して条文を暗記する必要があります。

 とりあえず、憲法・民法・商法の条文を暗記しておけば、条文穴埋め問題や条文○×問題には対応できる可能性があります。

 なんだよ「可能性がある」って、と思われるかもしれませんが、漢字を正確に書くと言う事が、殊の外難しかったりするのです。

 漢字だけではなく、条文通りに助詞なども書かなくてはならないので、ものすごく難しいです。

 他の論述形式の試験で、六法が参照できる試験では、漢字調べで試験中に六法を見る事もありました。漢字はド忘れするとなかなか思い出せませんよね。

 判例については、試験日までにどれくらい勉強時間が確保できるかを考えて、勉強する必要があると思います。

 80時間で合格するのであれば、判例に手を出さずに、他の勉強に集中すると言う勉強方法も有りだと思います。むしろその方が賢明だと思います。

 500時間とか十分な勉強時間が確保できるのであれば、判例対策をしても良いと思いますが、配点や出題される可能性を考慮すると、判例の勉強は、海事代理士試験に限っては得策ではないと思います。

 民法については、「総則」「物権」「債権」を重点的に勉強すると良いと思います。「親族」「相続」は軽めにサラッと勉強する程度で深入りはしない方がよさそうです。

 しかし、「相続」には、978条「在船者の遺言」と979条「船舶遭難者の遺言」は、「船」にかかわりが深い条文なので、必ずチェックをしておいた方が良いと思います。

 憲法・民法・商法のどれも深い知識を要求されるような問題は出題されていないので、条文の順番通り読まずに、文字数の少ない条文から覚えていくと言うやり方も有りだと思います。

 例えば、先程軽めにサラッと勉強しろと言った「相続」編の最初の条文は、リズムが良く覚えやすいです。882条「相続は、死亡によって開始する。」は、五七五の俳句形式になっています。

 こんな感じの覚えやすい条文から覚えていくのが良いと思います。

実際の筆記試験はどうだった?

 こんな感じの、暗記中心の試験対策でも、一発合格できました。

 自己採点の感想だと、「海事代理士合格マニュアル」を完璧にマスターしていれば、65%弱は取れるようです。

 私が受験した年度は、例年○×形式の問題だったものが、空所穴埋め問題になったりしていて、難しく感じました。

 公開されている過去問を本番の試験の様に解いてみた時には、70%弱の点数は取れていたので、多少点数を落としてしまいました。

 出題形式が、○×問題から空所穴埋め問題に変更されていても、焦らずに落ち着いて問題を解いたので、何とか合格点を取る事が出来ました。

試験当日の様子は?

 試験当日も一生懸命勉強していました。

 試験会場に向かう電車の中はもちろんの事、試験会場でも「海事代理士合格マニュアル」を開いてひたすら暗記していました。

 具体的には、海事代理士試験は、1時限目から4時限目まであり、全ての時限で時間が余りました。

 制限時間の半分程度で解答をし終える事ができたので、試験終了時刻まで試験会場にいる事なく、解答用紙を提出して別室に移動して次の時限の科目の勉強をひたすらしていました。

 私が受験した試験会場の別室は机はなく、ただ椅子のみが用意されていて、そこに座って、本を開いて、勉強をしたと言う感じです。

 なので、この会場では、ノートに書き写す様な勉強はできません。

 普段は、試験終了時刻まで入念に解答用紙をチェックするのが、私の試験時の姿勢なのですが、海事代理士試験はいかに多くの情報を記憶するかがキーポイントだと思ったので、解答が完成したらすぐに提出して別室で勉強をしました。

 4時限が終了すると、すぐに模範解答が配布されます。

 試験会場ですぐに自己採点をしている人もチラホラいました。

 私は、自宅に戻って採点をしました。合格点が取れていたので、すぐに口述試験対策を始めました。

最後までご覧いただきありがとうございました。

海事代理士 試験概要・口述試験対策もキニシカでチェック!!