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法学検定 アドバンスト〈上級〉 試験対策

女神の天秤(司法) 民間資格
英検換算努力度レベル難易度標準学習時間実際勉強時間おすすめ度
英検1級相当レベル 7.0800時間100時間☆☆☆☆☆
法律系資格の登竜門的資格です。
難関法律系資格の前哨戦として活用できる資格です。
行政書士試験・司法書士試験・司法試験の合格を目指している方は、法学検定アドバンスト〈上級〉に合格する位の実力は最低限必要です。

法学検定アドバンスト〈上級〉合格のロードマップ

 法学検定アドバンスト〈上級〉は、とても難しい資格だと思います。

 法学検定のパンフレットには、「法学を専門的に学ぶ者が目指すべき上級レベル」と書かれています。

 スタンダード〈中級〉までなら、公式問題集を勉強していれば、まず不合格になる事は無いと思います。

 しかし、アドバンスト〈上級〉になると、大分事情が変わり、公式過去問題集には3年分の過去問しか収録されていないので、勉強の仕方が良く分からないと言う方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。

 また、主な受験者として記載されているものには、「法律資格を目指す法学部生」と「法律事務に従事する公務員や法務スタッフ」が挙げられています。

 この様に、法学検定アドバンスト〈上級〉は、想定している受験者が学生から社会人までと広範にわたっており、試験に実際に出題される問題の難易度も高く設定されていて、その上、専用のテキストが無く、問題集が質は良いけれど問題数不足な事がさらに難易度を上げていると思います。

 けれども、公式過去問題集では、足りないのであれば、他の手段で勉強すれば良いだけです。

 法学検定アドバンスト〈上級〉の合格を最終目標にするのではなく、他の難関法律資格に合格する事を目的にして、法学検定アドバンスト〈上級〉は、通過点にすれば良いのです。

 私の場合にはどうだったかと言うと、行政書士試験に合格する事を目標にして勉強を開始しました。

 最も、行政書士試験が11月の第2週が試験日のため、目標である行政書士試験を先に受験し、その数週間後に目標達成のための通過点である法学検定アドバンスト〈上級〉を受験しました。

 どちらも何とか合格する事が出来ました。

 なので、法学検定アドバンスト〈上級〉を最終目標に勉強するのではなく、通過点として見なして、勉強する方法がおすすめです。

法学検定アドバンスト〈上級〉の選択科目の選び方

 行政書士試験を目標にしつつ、法学検定アドバンスト〈上級〉を通過点として勉強したと、述べましたが、実はもう一つ同時に合格した資格があります。

 それは、知的財産管理技能検定2級です。

 なぜ、知的財産管理技能検定2級を同時に勉強したのかと言うと、法学検定アドバンスト〈上級〉では選択科目として2科目を選ぶ必要があり、行政書士試験の合格を目標に勉強しているので一つは「行政法」で決まりですが、もう一科目は、行政書士試験でもと問われる「商法」にしようか、それとも他の法律に挑戦してみようかと悩みました。

 そしたら、ちょうどうまい具合に法学検定と知的財産管理技能検定の試験日が同じ日で、しかも、法学検定アドバンスト〈上級〉が午前中に実施、知的財産管理技能検定が午後の実施だったので、法学検定アドバンスト〈上級〉の選択科目は、「行政法」と「知的財産法」にする事に決めました。

 この時既に、知的財産管理技能検定3級には数カ月前に合格していたため、知的財産法の基礎的な部分は勉強済みでした。

 行政書士試験の一般知識等でひょっとしたら知的財産法の問題が出題されるかもしれないと思ったので、あらかじめ、知的財産管理技能検定3級を取得していました。

 普通、法学検定アドバンスト〈上級〉を受験される方は、司法試験の受験を見込んでいる方は「民事訴訟法」と「刑事訴訟法」を組み合わせるか「商法」と「行政法」を組み合わせるかと言った具合に選択科目A群から2科目選択する人が多い気がするのですが、「労働法」や「知的財産法」は選択科目A群と比べると難易度が低い気がするのでお勧めです。

 実際の試験では、試験開始直後に「商法」と「行政法」そして「知的財産法」をパラパラッと問題を見てみて、当初の計画通り「行政法」と「知的財産法」を解答しました。

法学検定アドバンスト〈上級〉の選択科目の難易度の違い

 法学検定アドバンスト〈上級〉では、選択科目を2つ、選んで解答する必要があります。

 選択科目には、A群とB群の2つあり、A群から1科目必ず選択しそのうえでもう1科目をA群及びB群から1科目選んで解答する必要があります。

 なので、選択科目は合計で2科目解答する必要があります。

A群民事訴訟法刑事訴訟法商法行政法
B群労働法破産法経済法知的財産法

 私が思うに、A群の方がB群よりも問題の難易度が高いと思います。

 問題自体の難易度が高いだけでなく出題形式からも難易度の差が出ています。

 B群の問題は、「知的財産法」は全て五肢択一式の出題形式なのですが、「労働法」「破産法」「経済法」は、ほとんどが四肢択一式で一部の問題が五肢択一式で出題されます。

 どのような問題が五肢択一式で出題されるかと言うと、「正しいものの組み合わせを1つえらびなさい。」と言う感じの出題の仕方の問題が五肢択一式となる場合が多いです。要は作問者の手抜き問題ですね。

 労働法を勉強している方であれば、選択科目には「労働法」を選ぶのがおすすめです。問題自体のレベルもそれほど高くはない上、四肢択一式が多いので良い点を狙えると思います。

 ちなみに、私は最近では選択科目には、A群から「商法」か「行政法」を選び、B群から「労働法」か「知的財産法」を選ぶようにしています。

法学検定アドバンスト〈上級〉の勉強方法

 法学検定では、アドバンスト〈上級〉コースだけでなく全てのコースで、受験科目中に「0点」の科目があると、総合得点にかかわらず「不合格」となってしまうので注意が必要です。

法学基礎論

 法学基礎論は私にとっては要注意な科目です。いつも嫌な気分になる科目です。

 6分野から合計10問出題されその中から5問を選択して解答します。

 つまり、一番「0点」を取る可能性が高い科目です。

 出題分野とそれぞれの問題数は以下の通りです。

出題分野問題数
法哲学(法体系論)2問
法社会学2問
比較法1問
日本法制史2問
司法制度論2問
法的思考の基礎1問

 どの分野も本格的に勉強しようとするとキリがないので、法学部の学生や司法試験などを受験しようと考えている方であれば、問題数が「2問」の問題を2~3分野勉強しておけばとりあえず「0点」を取る事は無いと思います。

 行政書士試験の受験を考えている方であれば、基礎法学と一般知識の勉強をしていく中で「司法制度論」と「法的思考の基礎」の知識が身に付いてくると思うので、それで対応する事ができるようになると思います。

 法学基礎論は、高得点を狙わずに「0点」を取らないようにする勉強法が良いと思います。

 ADRについての問題などは「司法制度論」として出題されたり「法社会学」として出題されたりとまちまちなので、ADRなどいろいろな分野で出題されそうな事項については、チェックしておくと得点源にできると思います。

 もちろんADRについては行政書士試験でも問われる可能性がとても高いと思うので要チェックです。

 また、私は苦手なのですが、「法哲学」の分野は時々、穴埋め形式の問題が出題されるので、「法哲学」が苦手な方も、穴埋め形式の問題が出題されていたら飛ばさずに問題に目を通してみると良いと思います。

 何故かと言うと、穴埋め形式の問題は国語力と常識で案外、解答可能な場合が多いからです。

 良く問題を読むと解答できる場合もあるので法学基礎論が苦手な方も、諦める必要はないと思います。

憲法

 憲法は得点源にすべき科目だと思います。

 大体8点~9点は狙うべきです。

 憲法で8点~9点取るのにどのような勉強をすればよいかと言うと、行政書士試験レベルのテキストと問題集は完全に身につけておく必要があります。

 大方の問題はこれで対処できますが、より高得点を狙うのであれば、行政書士試験用の判例集を読んでおくと良いです。

 行政書士試験用の判例集の中には、絶対に知っておかなければならない判例が記載されていなかったりしている事がよくあるので、そのよう場合には有斐閣から出版されている「憲法判例」と言う青いカバーの本を読んでおくと良いと思います。この本は司法試験でも十分に通用する良い本ですので司法試験を目指している方は必読だと思います。

 「憲法判例」は収録判例はあまり多くないですが、内容が深くとても参考になります。それだけに、読むのが大変ですが、力はとてもつくと思います。

 これだけで、8点~9点は取る事ができると思います。

 行政書士試験の過去問だけでは足りない場合には、公務員試験用の「スーパー過去問ゼミ」の憲法の問題集を解いてみるのも良いと思います。

 これだけやれば十分です。

 行政書士試験用のテキストの憲法の分野は、どの本もかなり詳しく書かれているので、他にテキストを読まなくても、合格点を取れると思います。

 もし何か学者系の本を読みたいのであれば、一番話のネタになる、岩波書店から出版されている、芦部信喜氏著の「憲法」を読んでみると良いです。

 私はハードカバーの本が好きなので、芦部憲法をよく読み返すのですが、厚くて挫折しそうな方は、自由国民社から出版されている「国家試験のためのよくわかる憲法」がおすすめです。

 どんなテキストを読むにしても、問題集をきちんと解かないと良い点数は取れないので気を付けてください。

民法

 憲法の対策と同様で行政書士試験対策用のテキストと問題集で十分対応できます。

 民法でも行政書士試験用の判例集で判例を覚えておくと良いと思います。

 司法試験を目指している方や難関法律資格を目指している方の中には、有斐閣の「判例百選」シリーズを使っている方も多いかと思いますが、行政書士試験用の判例集は簡潔にまとめられているものが多く、要点だけを暗記したり、確認したりする事に重宝するので、持っておいても損はないと思います。

 また、憲法の試験対策と同様に、行政書士試験対策用の問題集だけでは足りないと言う場合には、公務員試験用の「スーパー過去問ゼミ」で知識を補うと良いと思います。

 行政書士試験用のテキストを読んだ後におすすめな本は民法はいろいろあるのですが全部そろえると軽く1万円は過ぎてしまうものが多いので、1冊で完結している自由国民社から出版されている「国家試験のためのよくわかる民法」を読んでみると良いと思います。挫折せずに最後まで読めると思います。

刑法

 苦手な科目です。

 刑法を勉強していると、「なんだかなぁ~」と思う事が多々あります。

 罪に対する「罰金がいくらだ」とか「懲役何年」だとかが、時代に全くあっていないと思うのは気のせいでしょうか?

 昔、先生に刑法について難癖付けると「君のそう言う所がリーガルマインドがないって言うんだよ!!」ってよく言われました。

 法律を理屈で考えるか、時代で考えるか、とても難しいと思います。

 試験で良い点数を取るためにはもちろん理屈で考えるしかないと思います。

 法律の中で最も理屈っぽい科目が刑法だと思います。その分、時代からは乖離してしまうのかもしれません。

 大嫌いな刑法ですが、とりあえず勉強はしていました。

 大学などで指定されたテキストがあればそれを読みつつ、公務員試験用の「スーパー過去問ゼミ」を解いて行くと良いと思います。

 私がよく読んでいる本は、有斐閣から出版されている「刑法」と言う上製の青いカバーの本です。

 厚くて読みごたえがありますが、とても勉強になります。内容もこれだけ読んでいれば十分です。

 しかし、試験まで十分に時間が取れる方にはこの本はおすすめですが、あまり時間が取れない方は、薄めの本で知識を身につけたら先程の公務員試験用の「スーパー過去問ゼミ」で問題を解いて行くと良いと思います。

 気が向いたら、厚い本を読んでみると良いと思います。

商法

 商法も初学者の方は、行政書士用のテキストと問題集を使って実力を付けていく感じの勉強の仕方が良いと思います。

 テキストを読み進めながら該当箇所の問題を解いて行くと言うやり方が良いです。

 同時に行政書士試験対策用の判例集も読んでおくと良いと思います。

 行政書士試験用の判例集には商法の判例は収録数がとても少ないのですぐに読めるのでぜひ取り組んでみてください。自信がつくと思います。

 さらに、行政書士試験用のテキストを読んでしまいもっと実力をつけたいのであれば、弘文堂から出版されている「会社法」と言う、緑色のカバーの本がおすすめです。ハードカバー製本で毎年改訂版が出版されているので、最新の法令を勉強する事ができます。

 私も1~2年毎位のペースで買って勉強しています。毎年は買いません。

行政法

 行政法も他の科目と同様に、行政書士試験用のテキストと問題集を使って、基礎固めと応用力を養って行くと言う勉強の仕方が良いと思います。

 行政書士試験用と言うだけあって、どの本も行政法には最もページを割いて詳しく書かれているので行政法については他に本を読まなくても良い気がします。

 何度も同じ本を読むようなやり方の方が知識が定着しやすいです。

 なので、行政書士試験用の対策書だけで十分、法学検定アドバンスト〈上級〉に対応できると思います。

 行政書士試験用の問題集だけでは物足りないと言う方は、他の科目と同様に、公務員試験用の「スーパー過去問ゼミ」を解いてみると良いです。

 それと、行政書士試験用の判例集で判例を覚えておくとより高得点を狙う事ができると思います。

法学検定と行政書士は勉強の相性が抜群です!!

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労働法

 何故か労働法は得意です。

 いつも読んでいる本は、有斐閣のプリマシリーズの「労働法」です。

 この本を読んで大体の事を把握出来たら、例にもれず、公務員試験用の「スーパー過去問ゼミ」を解いて、実力をつける事で合格点を取る事ができると思います。

 法学検定アドバンスト〈上級〉の労働法は難易度はそれほど高くはないと思います。

 選択科目A軍の「行政法」や「会社法」と比べると、かなり簡単です。

 しかし、労働法と言う分野は、多くの法律のまとまりで構成されているので、出題される法律が多く、何を中心に勉強すれば良いか分からなくなることも多いと思います。

 良かったら、下記の表を参考にしてみてください。

法律名・分野試験対策
労働基準法
労働組合法
労働契約法
中心科目
詳細な理解が必要
労働者派遣法
雇用機会均等法
労働者災害補償保険法
中心科目だが上の三つよりは重要度は落ちる
育児・介護休業法
労働契約承継法
パートタイム労働法
最低限の内容を把握
労働安全衛生法
最低賃金法
高齢者雇用安定法
労働審判法
軽く条文を読んでおけばよい
労働契約分野
労使関係分野
労災関係分野
判例を理解する

 こんな感じで勉強すると良いと思います。

 中途半端に勉強するよりは、メリハリを付けて勉強すると良いです。

知的財産法

 私は、法学検定アドバンスト〈上級〉と知的財産管理技能検定2級を同日に受験して合格しました。

 もし、選択科目に何を選ぼうか決まっていない方がいらっしゃったら、「知的財産法」はおすすめの科目です。

 なぜ「知的財産法」がおすすめなのかと言うと、役立つからです。

 例えば、「知的財産管理技能検定」に合格できるだけではなく、「ビジネス実務法務検定」にも中心科目として出題(ビジネス実務法務検定1級では、選択科目で知的財産法が出題される事が多いです。)されたり、受験される方はあまり多くはないかもしれませんが、「技術士試験の一次試験」でも頻出です。

 社会人としても「知的財産法」は必ず身につけておかなければならない知識だと言えます。

 したがって、選択する価値は高いと思います。

 試験対策としては、知的財産管理技能検定2級の試験対策をすればよいです。実際に私は「知的財産法」の試験対策としては、知的財産管理技能検定2級の勉強のみをしました。そのやり方で、両方の試験に合格する事が出来ました。

 法学検定アドバンスト〈上級〉の試験レベルと知的財産管理技能検定2級の試験レベルは大体同じで、知的財産管理技能検定2級の方が試験範囲が広い為、法学検定アドバンスト〈上級〉に十分対応する事ができます。

 その上、試験時期も大体同じで、万が一同日でも、法学検定アドバンスト〈上級〉が午前中に試験で、知的財産管理技能検定が午後に試験なので時間がずれているため、ちょっと電車に乗って、法学検定の試験会場から知的財産管理技能検定の試験会場に移動すれば良いだけで、簡単な事です。

 法学検定アドバンスト〈上級〉の「知的財産法」の具体的な試験対策は、知的財産管理技能検定2級用のテキストを読んで、読んだ箇所についての問題を解く様な勉強の進め方が良いと思います。

 なお、一つだけ注意してほしい事があります。

 知的財産管理技能検定2級を受験できるのは、「知的財産管理技能検定3級合格者」や「知的財産に関する業務について、2年以上の実務経験を有する者」でないと受験する事ができないので注意してください。

 知的財産管理技能検定については、下記のリンクから私の受験対策を参考にしていただければ幸いです。

まとめ

 法学検定アドバンスト〈上級〉の試験対策は、行政書士試験対策用テキストと問題集、それと、知的財産管理技能検定2級対策用のテキストと問題集を勉強すれば良いです。

 それに加えて、刑法の対策として、薄めのテキストを読んで基本事項を勉強して、公務員試験用の「スーパー過去問ゼミ」で問題を解けば十分です。

 そのほかの科目も、行政書士試験対策用のテキストと問題集を完璧にやり終えたら、公務員試験用の「スーパー過去問ゼミ」を解いておくと良いです。

 司法試験用の問題集や国家公務員総合職用の問題集を解いてみるのも良いかもしれませんが、法学検定アドバンスト〈上級〉よりも難しいです。

 行政書士試験用の模試も有効活用できると思います。

 最終仕上げとして、法学検定アドバンスト〈上級〉の公式過去問題集を解いて試験に慣れておくと良いと思います。

最後に

 法学検定の試験日の前に行政書士試験が行われるので、行政書士試験対策をしておけば、刑法以外は対策は特にする必要はないと思うので、行政書士試験にあまりこれまでは興味がない方も、行政書士試験の受験を検討されてみてはいかがでしょうか。

 さらに、法学検定アドバンスト〈上級〉からのステップアップとして、司法試験に合格して法曹を目指すと言うのも、すてきだと思います。

最後までご覧いただきありがとうございました。

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